ラオス - ビエンチャン

ビエンチャンはラオスの首都であり、面積が3920平方キロメートル、人口が61万人。実は、ビエンチャンは「ミニ首都」ですから、1ドルだけで自転車をレンタルして、1日のうちに町のどこでも見物できるでしょう（ただし、2月でも日差しが強いので熱中症に気を付けてほしいです）。こんなに小さい町だから、通りで別れた旅の道連れや、名前も知らない西洋人に何回も会えることがよくあるでしょう。

ビエンチャンはラオス人民民主共和国の首都であり、メコン川中游の北岸の河谷平原にあります。タイのノーンカーイと川を挟んで相対しているビエンチャンは、世界で珍しい国境にある首都です。人口が主にラオ・トゥン族であり、ラオス語を通用し、仏教を信奉する人が多く、言語や風俗習慣が中国のタイ族と似ています。

ビエンチャンは紀元の4世紀に建てられた長い歴史をもっている都です。ビエンチャンは14世紀からラオスの首都であり、すでに500年以上の歴史があります。1893年から1975年まではフランスの殖民地であり、第二次世界大戦の期間は日本に占拠されていました。1975年12月、ラオス人民民主共和国が成立され、ビエンチャンは首都に定められています。

ビエンチャンは熱帯気候に属しており、一年中は高温多雨であるため、樹木が青々と生い茂っています。ビエンチャンが「檀木の町」と言われるのは、かつてそこにこんもりとした檀木の林があったからです。しかし、殖民地であったときに檀の木を伐采しすぎたため、現在は残っている檀の木が少なくなっています。ビエンチャン市の裏側にあるこんもりとした森林がビエンチャンの天然の障壁になっています。ビエンチャンは静かで美しい町であり、市内の東西が長く、南北が狭いです。空から見下ろすと、三日月の形をしているから、「月の町」と呼ばれています。町がメコン川の東岸にあり、西から東と北へ広がって、「上」という文字の形になっています。町は静かで、緑に覆われています。ラオスの国花である「チャンパー」という花がどこでも見られます。メコン川沿いの大通り(ファーグム通り)が市内を貫き、両側に植えられているココナッツ、バナナ、ビンロウ、竜眼、サイザルアサ、アカシアなどの植物が高かったり、低かったりであり、町の並木が空を覆うほどいっぱいです。四月、五月になると、桐の木の花が火のように赤く満開する町並みは、ビエンチャンで最もきれいな光景です。古い皇居から凱旋門までのランサーン大通りは、ビエンチャンで最も広い通りです。

サムセンタイ通りがビエンチャン市内を貫いており、華僑が集中している唐人街であり、市内の商業中心地区でもあります。ビエンチャン郊外に建てられた多くの家屋は、「高足の家」か「浮き足の家」と呼ばれている建物です。その建物の材料は木や竹であり、数本の長い柱で支えられ、地面から1メートル高いところに建てられています。それは当地の熱帯の地理環境に適して造られた建物であり、雨水や風をよく通らせたり、野獣の侵害を減らしたりするためだそうです。

歴史的な都であるビエンチャンの「美」は古代の建物にも現れています。85％以上のラオス人は仏教を信仰するから、寺院や宝塔が市内のどこでも見られます。これらの古い寺院や仏塔や完璧な浮き彫りはラオス民族の伝統芸術のエキスとなっているから、ビエンチャンは「寺院が立ち並ぶ町」とも呼ばれています。

ビエンチャンの主な寺院は、ワットホーパケオ、ワットシーサケート、ワットミーサイ、ワットオントゥ、ワットインペンなどがあります。その中のワットホーパケオは1563年に建てられ、当時の皇居内の寺院であり、現在のビエンチャンの旧皇居とは壁一重の隔たりです。20世紀の半ばごろ、そこは博物館になり、主にいろいろな仏像が収蔵されています。ワットシーサケートは1818年に造られ、中には色彩濃厚な宮殿式の説経殿があります。説経殿は120座の仏像が置かれる回廊に囲まれています。独特の風格をもっている蔵経室は形がきれいで、ラオスでナンバーワンの古い建物です。数多くの寺院は、ビエンチャン市民の宗教活動の場所であり、ラオスの伝統文化の芸術の保存地でもあります。

ビエンチャンはラオスの文化中心だけでなく、ラオスの経済発達の地域でもあり、全国の貿易中心と工場の最も多い都市でもあります。工業は紡績、木材加工、米、煙草、石鹸、マッチなどの日用紡織工業を主としています。ビエンチャンは気候が温暖湿潤であり、日照と水量もたっぷりですから、さまざまな熱帯・亜熱帯の作物が産出されます。稲、野菜、緑豆、葉煙草、さとうきびなどの生産量が全国の前列に並んでいます。ビエンチャンはラオスの「万物の元」と呼ばれるメコン川に沿っているため、水路の交通がこの川を主としています。ビエンチャンから北のルアンパバーンや南のサワンナケートまでは一年中も通行できます。

メコン川はビエンチャン地域にはナムグム川、ナムリーク川、ナムカディング川などの支流があり、これらの支流は当地の住民にとって古くからの主な航路です。ビエンチャン市内には鉄道がなく、道路が主な陸路の交通です。ビエンチャン市の西メコン川の畔にあるワッタイ国際空港は、ラオスで最も大きな空港であり、ハノイ、バンコク、ホーチミン市、プノンペン、モスクワなどの都市までの国際便があります。都市の北にあるナムグム・ダムは十分な水力発電所を提供しており、その電力がタイにも輸出されています。市内にはラオス軍事博物館、独立記念塔、及び多くの寺院や古塔があります。