王宮博物館(Royal Palace Museum)はルアンパバーンの町中心にあります。フランス植民地時代の1904年に当時のシーサワンウォン王の宮殿とし て立てられたものですが、1975年に君主制が廃除され、ラオス人民民主共和国が成立した後、かつての王宮は国家博物館として開放されました。
かつての王宮は伝統的なラオ様式と19世紀にフランスで流行したボザール様式が融合した建築で、中にはメコン川を渡ってきた要人を出迎えるための桟橋があります。宮殿は主に会議室、応接間と貯蔵室などからなっています。庭園にはシー・サワンウォン国王の銅像が置かれています。入口前に蓮池と大砲があり、正門に通う階段がイタリア大理石で作られています。入口の上にラオス王室を象徴するエラワン象(頭が3つある神象)の石彫があります。応接間の中に歴代の国王の半身像が並ばれていて、王宮として使用していた調度品や各国からの贈呈品が展示されています。壁にはラオスの伝統生活をモチーフにした壁画が1930年のフランス芸術家の作品です。内部にはラオスのシンボルの「パバーン仏」も展示されています。パバーン仏はラオス国民から最も信仰されている仏像で、1358年にラーンサーン王国の初代ファー・グム王がクメール王から仏教使節団を迎えたときに贈られ、高さが83センチ、重さが50キロあり、純度90%以上の金で出来ているそうです。ルアンパバーンの名前はパバーン仏から来ています。