ワット・シーサケット(Wat Si Saket)は1818年にアヌウォン王によって創建されたビエンチャン最古の仏教寺院です。色彩が鮮やかな宮殿式の建築で、優美な大屋根が特徴のルアンパバーン様式に対し、本堂を取り囲むように広縁風のベランダを持つビエンチャン様式です。本堂の内部の壁には僧侶の生活を描く壁画が残っていますが、残念ながらはっきりみえなくなっています。 本堂内には2052体に及ぶ仏像が並んでいて、壮観そのものです。本尊仏の重さが10数万キロもあるので、ワット・シーサケットは「十万仏寺」とも言われています。また回廊には3420の小さな穴が彫られ、それぞれに2体ずつの仏像が安置されています。その殆どはが度重なるシャムとの戦いによって、眼球として嵌め込んでいた宝石類や頭部の装飾用の金細工などが持ち去られていますが、そのまま残されているものもいくつかあります。
ラオスでは度重なる戦火に見舞われたために貴重な歴史的建造物の多くが破壊されましたが、ワット・シーサケットは建築の風格が泰の寺院によく似た原因で、幸いに建立当時のままの姿を現在に残り、非常に高い価値があるのです。
ラーンサーン通りに面した3階建ての建物は蔵経閣で、重要な経典などが記された木簡などが保管されています。1930年に寺院は大規模に改修され、現在にはラオスの古代文化芸術品を収蔵する所になっています。