シュエダゴン・パゴダ(Shwedagon Pagoda)はインヤー湖北岸、小高いシングッダヤ山の上に建てられています。カンボジアのアンコール・ワット、インドネシアのボロブドゥールとともに「東南アジアの三大古跡」と称されています。さらに中国の万里の長城とタージ・マハルを入れて、「東方の五大奇観」と言われています。
シュエダゴン・パゴダの主塔は壁に囲まれ、東西南北の四方に入り口があり、四つの門の前にいずれも大きい石の獅子が2頭飾られていて、荘厳な雰囲気が漂っています。南門が主な入り口で、ここから104段の階段かエレベーターを利用して、頂上まで登ると町の全貌を見渡すことができます。
主塔は高さが99.4メートルあり、基底部の周囲が433メートルあります。周りに大小68個のパゴダが、壮観そのものです。基壇には仏殿があり、玉の仏像が祭られています。 塔の東南隅に菩提樹が1本あり、それはインドのお釈迦様寺院の聖樹園から移植してきたそうです。東門の外に清代の華僑の寄進によって建てられた蔵経楼があります。
シュエダゴン・パゴダは紀元前585年に建てられ、改修を重ねて今の姿となりました。塔の建立に関して、次のような伝説があります。
2500年前にインドへ商売に行ったビルマ商人が飢えた仏陀にケーキを差し上げました。その甘いケーキのお返しに、成仏した仏陀が商人に髪を8本授けました。聖髪を授かった商人がビルマに帰る途中、いろいろがあって最後に聖髪は4本しかありませんでした。商人がその聖髪を王に奉納した時に、不思議なことが起こりました。王が聖髪を4本しか入っていないべきだった箱を開けると8本の聖髪が完璧に納められていました。束の間に、雷が鳴って、大地が激しく揺れる同時に奇跡が発生しました。目や耳や口などの身障者がみんな治りました。また、金の煉瓦と宝石が雨のように空から降ってきて、膝まで積み重ねました。人々はその金の煉瓦と宝石を集めて、パゴダを立てました。
シュエダゴン・パゴダの全体が金箔で覆われ、金色に輝いています。中仏塔(4個)と小仏塔(64個)を入れて、全部で7トン余りの金も使いました。塔の頂部の金傘には1065個の金鈴と420個の銀鈴が掛けられています。パゴダの最頂部には、76カラットのダイヤモンドを中心に総計5451個のダイヤモンド、2317個のルビー、サファイア、翡翠(ひすい)などの宝石が散りばめられています。思わず塔の豪華絢爛さにその金色の巨大な姿に目を見張ります。