プーケットタウン(Phuket Town)はプーケット島の東南部に位置し、プーケット省の省都の所在地です。街では観光客が海辺ほど多くないですが、旧市街地を散策したり週末の市場を回ったり或いは地元のお茶レストンランをのんびり過ごしたりしますと、街の素朴な風情にきっと深く感動され印象的です。現在旧市街地のクラビロード(Krabi Road)とサトゥーンロード(Satun Road)の交差点に残ったポルトガル様式の古屋があり、完璧に保存された最も古い建物として重要な文化遺跡と指定されます。残念なことに外観だけは見えますが、中には入ることができません。タランロード(Thalang Road)の両側に殆ど2、3階建ての建物が並び、見事に早期における中国系移民による面影を残しています。さらに昔ままの名残りを残そうとして地元では高いビルを作ってはいけないと規制が出ています。
ラーマ3世(1824~1851年)頃、プーケットの町に初めて移住してきた中国系の住民が現れました。当時、錫の採掘などに魅かれた中国系とマレー系の住民が共にプーケットの繁栄に寄与しました。今、旧市街地に残った住宅は殆ど彼らの住宅だったと言われます。見ればこれらの建物の玄関に地元で崇められる氏神の位牌が飾り、額縁の上に家族の名字もあることが分かります。中に大文字の「穎川」という漢字が多くあり、話によると陳穎川という名字の移民が初めてここに来て錫の産業の経営により金持ちになったと伝えられています。今でも街に彼の家族も多く定住しているということです。街の殆どの建物は玄関に入ると家族の祖先の位牌が真ん中に飾り、中庭の手前に衝立も立っています。その向うに家族の寝室や客室などが配置されます。建物全体はいかにも中国らしいスタイルが色濃く残っています。