シュエグージ寺院(Shwegugyi)はタビィニュ寺院の北に200メートル離れた場所にあります。この寺院はアラウンスィードゥー(King Alaungsithu,1090-1167)王の手により1131年に建立されました。寺院はバガン中期における仏教建築の代表と称されます。「シュエグージ(Shwegugyi)」とは「金の洞窟(the Golden Cave)」という意味があり、「宮殿の前の仏塔(Nandaw Oo Paya)」という意味もあります。驚かされたことに、アラウンスィードゥー王は自分の手により自ら建立された寺院の中で息子であるナラトゥ王によって殺害されました。そのためにこの寺院は何となく悲しい雰囲気を漂わせています。
寺院のパゴダは高さ3.6メートルの台座の上に煉瓦で築かれていて、話によると工事期間がちょうど7月か月7日間だったと言います。寺院全体が基本的にモン族の建築様式を採用していますが、高い台座の上に造ったことは後期における建築様式を取り入れた形跡が目立つと言えます。寺院の外壁が洗練に造られた上、複雑な灰色の泥による彫塑を施しています。室内に大量に取り付けた窓から差し込んだ光により、更に独特な風景を浮き彫りにさせています。奥の殿堂の中に古代のパリ(pali)(古代インドの言語)語で刻んだ二つの石碑が保存されます。石碑に合わせて百首の詩文が刻まれ、いずれもアラウンスィードゥー王の偉大さを称え、シュエグージ寺院を建立する旨を記録しています。それに本寺院は1131年5月17日に起工し、7か月7日間によって完成したことも明記しています。寺院は古い故宮遺跡にとても近いことから、皇室に属する仏塔の一つだと考える学者がいます。
観光客はこの薄暗くて神秘的な通路を通り、一番上にある見晴らし台に登ることができます。ここはバガンの西側にあるから、無数の仏塔が林立する東側のバガン平野を眺めるのに適しています。特に輪郭の美しいアーナンダ寺院とダビィニュ寺院の西側にあり距離も近いことから、日が出る時に、この二つの美しい仏塔を近景にして、徐々に登るご来光と仏塔が林立するバガン平野を遠景にすると、とてもきれいな写真が撮れると請け合いです。