王宮(グランドパレス)はタイのバンコクの中心地に位置する巨大な古代建築群であり、メナム川に隣接しています。敷地面積が延べ218400平方メートルに達する王宮(グランドパレス)は古都である大城にある旧皇居に倣い、建造したものです。その後、歴代の君主の増築により、今日のようなスケールの大きい宮殿の建築群になったのです。王宮(グランドパレス)は数多くの宮殿のなかの一つであり、歴代を通じた最も保存のよい、規模も大きいそして民族の色豊かな宮殿です。バンコク王朝はラーマ1世からラーマ8世にかけて王宮(グランドパレス)に居住したのです。1946年にラーマ8世が宮殿の中で暗殺された後、ラーマ9世は王宮(グランドパレス)の東に新築したジラダ宮殿に移してきました。現在、王宮(グランドパレス)は戴冠セレモニーや宮殿祝賀などを挙げる時だけに使われていますが、普段は対外に開放され、とうとうタイの有名な観光地に定着しています。
バンコクのランドマークとされる王宮(グランドパレス)は1782年に造成され、歴代の国王の修繕により、今だに昔ままの輝きを失っていません。ここにはタイの建築、絵画、彫刻およびインテリアなどの芸術を集め、その風格に明らかにシャムらしい建築の特徴が窺えると言われます。そのために各国の観光客に親しまれ、「タイの芸術の集大成」と呼ばれます。王宮(グランドパレス)はあわせて四つの豪華な建物からなっており、名前はそれぞれ「チャクリー・マハ・プラサート宮殿(Chakri Maha Prasat Hall)」、「ドゥスイット・マハ・プラサート宮殿(Dusit Maha Prasat Hall)」、「アマリン・ウィニチャイ堂(Amarin Winitchai Hall)」および「ワット・プラケオ(Wat Phra Kaeo)」です。これらの建物でイメージアップした王宮(グランドパレス)は色彩がきわめて鮮やかで、タイのシンボルとされ、タイの観光には欠かせないポイントです。
王宮(グランドパレス)の庭園に入ると広々とした芝生と各種の樹木が目に映ります。芝生の周囲には菩提樹や熱帯の植物などが植えられています。そして王宮(グランドパレス)の仏塔式の尖塔は空に真っ直ぐ伸びており、鱗状の瓦が太陽の日差しの下で輝かしく見えます。第二の玄関に入ると、とても厳かな三階建ての建物が視界に入ります。ここは王宮(グランドパレス)で最も規模の大きい本殿であるチャクリー・マハ・プラサート宮殿です。チャクリー・マハ・プラサート宮殿とは「帝王」などの意味があり、ラーマ5世が1876年に建造したものです。ラーマ王朝の称号もこれに因んで命名したのです。チャクリー・マハ・プラサート宮殿に見られる特徴はイギリスビクトリア時代の建築様式です。その屋根に安置された三つの尖塔はいかにもタイらしいデザインです。チャクリー・マハ・プラサート宮殿の西側にあるのはドゥスイット・マハ・プラサート宮殿です。この宮殿が最も歴史の古い宮殿であり、タイの伝統的建物だと言えます。宮殿の中にラーマ1世の時代に製造した国王専用の椅子やベッドが納められています。これらの品物がラーマ時代の最高の芸術品だと評判されます。ふつう国王、皇后、皇太后がドゥスイット・マハ・プラサート宮殿で葬式を行うとします。チャクリー・マハ・プラサート宮殿の東側にアマリン・ウィニチャイ堂であり、ここは主に三つの部分から構成されています。すなわちアマリンダ謁見室、国王の戴冠セレモニーを挙げるパイサー室およびカラマデェー宮殿です。カラマデェー宮殿はかつてラーマ1世、2世、3世の住宅として使われ、その後、戴冠した後の国王たちの住宅地と変わりました。
王宮(グランドパレス)の外側に楕円形の広場があり、両側に木々が生い茂っています。その周辺に大学や政府機関、タイの国家博物館、国家劇場、国家芸術館およびバンコク守護寺などが揃っています。これらの建物の間に花が咲いたり緑の植物が植えられたりして恰も素敵な公園のようです。